なぜ“注文住宅の80%は失敗する”と言われるのか 建築家が見てきた「勘違いランキングTOP10」
なぜ“注文住宅の80%は失敗する”と言われるのか
建築家が現場で見てきた「勘違いランキングTOP10」
家づくりの相談を年間で数多く受けてきましたが、
「失敗の原因の大半は、家の形ではなく『考え方』」にあります。
これから住宅を考えている人にこそ、最初に読んでほしい内容です。
家づくりの考え方は、各地で展開している
KAWAZOE-ARCHITECTS 香川オフィス
の実例などでも紹介しています。
勘違い1|「土地を買ってから建築家に相談すればいい」
最初にミスする人の8割が、ここからつまずきます。
土地には、
- 風の抜け方
- 日射の入り方
- 眺望
- 通風
- 隣家の「将来の建て替え」リスク
など、購入前にしか読めない情報があります。
土地探しから建築家と動く人は、失敗リスクが激減します。
土地から住宅を考える視点はこちら:
性能とデザインの家(住宅設計サイト)
勘違い2|「南向き=絶対に良い」
南向きが最適なのは、「敷地条件が理想的な時だけ」です。
香川や東京の都市部では、南側に建物が迫るケースが多く、
むしろ西・東・北の方が光が綺麗という敷地も少なくありません。
眺望や風の抜け方を読み取るために、最近はVRで検証する例も増えています。
デジタルな検証についてはこちら:
METABRAIN LAB(パラメトリック・ビジュアライズ)
勘違い3|「間取りは“紙”で決められる」
紙で決めた間取りは、住んだ瞬間に破綻することがあります。
理由はシンプルで、
人は奥行き方向の距離を正しく認識できないからです。
3DやVRで確認しながら検討するほうが、圧倒的に失敗が減ります。
実例のパースやイメージはこちら:
PERSPECTIVE(パース・ビジュアライズ集)
勘違い4|「家は大きいほど豊かになる」
体感的な豊かさに直結するのは、床面積の大きさではなく、
- 視線の抜け
- 光の入り方
- 高さのグラデーション
だったりします。
例えば、中庭のあるコの字型・ロの字型プランや、
スタディコーナーを兼ねた廊下など、
「広さに頼らない設計」はたくさんあります。
こうした事例は、作品集でも確認できます:
PORTFOLIO(建築実例集)
勘違い5|「住宅展示場の家=標準」
住宅展示場の家は、「平均的な家」ではなくショーモデルです。
初期費用・断熱仕様・構造バランスが、現実の家づくりとは大きく異なるため、
展示場の家をそのまま基準にしてしまうと、判断を誤りがちです。
本来の「失敗しない基準」はこちらに整理しています:
失敗しない家づくりの考え方
勘違い6|「工務店に全部任せれば安心」
工務店は「施工のプロ」。
一方で、敷地の読み解きや空間のロジックづくりは、建築家の得意分野です。
両者の役割を理解し、きちんと役割分担をすることで、
住まいの質は大きく変わります。
設計事務所の関わり方については、
建築ハウツー(設計・相談の進め方)
で詳しく解説しています。
勘違い7|「コストは後から調整できる」
家づくりの総コストは、最初の数回の打ち合わせで8割が確定すると言われます。
構造の考え方・ボリューム感・設備グレードなど、
根幹部分を早い段階で決めないと、後からの「微調整」では済みません。
最初からコストバランスを含めてデザインすることで、
無理のない家づくりが可能になります。
勘違い8|「とりあえず収納を増やせばいい」
収納を増やすほど、家の動線が複雑になり、
「使われない収納」だらけになることも少なくありません。
必要なのは「量」ではなく「配置と導線」です。
この考え方は住宅だけでなく、店舗やオフィスでも同じです:
店舗デザイン(動線と見せ方の設計)
勘違い9|「見た目は後からでも変えられる」
外観は、構造・窓位置・開口のバランスで決まっています。
そのため、後から「化粧



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