建築と季節──四季を取り込むデザイン

季節が“居心地”を決める

日本の建築は、四季の移ろいとともに磨かれてきました。春の光、夏の風、秋の影、冬の温もり──季節の違いを設計に織り込むことで、日常の体験は豊かに変わります。

住宅：春夏秋冬を暮らしに招く

私たちの 建築家による住宅デザイン では、季節の変化を“快適さ”に変える仕掛けを重視しています。

• 春：軒や袖壁で柔らかな光を受け、花粉や黄砂を考慮した通風計画
• 夏：深い庇と外付けブラインドで日射遮蔽、夜風を取り込む窓配置
• 秋：斜光を室内の奥へ導く反射壁と、素材の陰影を楽しむ照明
• 冬：ハイサイドライトで低い太陽を迎え、断熱と蓄熱で暖かさを保持

季節適応の考え方は 性能とデザインの家 にも通底しています。

店舗：季節演出が“訪れたくなる理由”になる

店舗デザイン では、季節のサイン計画や外部テラス、可変ディスプレイが集客に直結します。外部の気配（風・匂い・光）を室内に連れてくることで、滞在時間と体験価値が高まります。

都市：街路樹と日影、季節の回遊性

東京オフィス では、街路樹の樹種・樹高・間隔を季節の影と風の流れで設計。夏は日陰とミスト、冬は陽だまり──歩きたくなる都市は季節の操作から生まれます。 一方、 香川オフィス では、瀬戸内の光と乾いた風土に合わせて、陰と風の“居場所”を路地や広場に散りばめています。

素材と衣替え：可変のしつらえ

簾・障子・戸外の植栽・ラグやカーテンの素材感──季節に応じて“衣替え”できる設計にすると、光と風の質ががらりと変わります。長く使える可変のしつらえは、サステナブルでもあります。

デジタルで四季を可視化

Metabrain Lab では、日射・通風・室温のシミュレーションで季節ごとの快適性を検証。VRで朝昼夕と季節を切り替え、空間の表情を体験しながら最適解を探ります。

建築家の視点

四季は“最高のデザイナー”。建築が季節と手を結ぶと、日常は祝祭に変わります。実例は ポートフォリオ をご覧ください。