建築と“間”──余白がつくる豊かさ

建築と“間”──余白がつくる豊かさ


空間の価値は「ないこと」に宿る

建築の魅力は、形や装飾ではなく「余白」にあります。何もない“間”が、人と人、内と外、時間と記憶をつなぐ。この感覚は、日本建築が育んできた美学の核心でもあります。

住宅設計における“間”の思想

私たちの 住宅設計 では、ただ部屋を並べるのではなく、暮らしの呼吸を生む「余白」を意識します。 廊下、縁側、土間──それらは単なる通路ではなく、人が立ち止まり、心を整えるための“間”なのです。

  • 通り抜けの動線ではなく、滞留のための中間空間を設ける
  • 光と影が交錯する「間」を季節の装置として活かす
  • 壁と壁の間に“余韻”を持たせる設計で、居心地の層をつくる

商業空間における「静のデザイン」

店舗デザイン においても“間”は重要な要素です。 音や光、香りの中に“静寂”の瞬間をつくることで、ブランドの印象は深まります。 商品を並べすぎず、空気に呼吸を与える。そこに「余白のデザイン」が生まれます。

都市における“間”──建物と建物のあいだ

東京オフィス では、建物の“あいだ”を都市の資産と捉え、風や光、人の気配を通す空間として再構成します。 一方、 香川オフィス では、路地や空き地といった「スキマの風景」に可能性を見出し、まちづくりに応用しています。

デジタルで“間”を設計する

現代では、 Metabrain Lab のようなシミュレーション技術を活用し、風や光、視線の“流れ”としての余白を可視化できます。 建築の“間”を定量化し、VR上で体験できる時代になりました。

建築家の視点

空間を満たすよりも、空けておくこと。 そこに人が“意味”を見つける余地がある。 建築は、作ることで「つくらない」ことを学ぶ芸術です。 実例は ポートフォリオ にも掲載しています。

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