“歩く速さ”で建築の印象は変わる」——動きと空間デザインの密接な関係
建築は“動きながら感じるもの”
建物を眺めるとき、私たちは常に「動いて」います。
立ち止まって見る建築と、歩きながら見る建築では、印象がまるで違うのです。
ゆっくり歩くことで見えてくるもの
住宅設計では、
「歩く速度」が空間の印象に影響を与えることを意識します。
- 玄関からリビングまでの導線が、心理的に落ち着く速さか
- 廊下に差し込む光が、歩くスピードに合わせて変化するか
- 立ち止まりたくなる“余白”があるか
つまり、空間のリズムは動線と速度の設計次第なのです。
商業空間では“歩かせ方”もブランディング
店舗設計では、
「どのくらいの速度で歩かせるか」をデザインでコントロールしています。
- 商品棚の間隔や照明で“歩みを遅らせる”
- 開口部からの視線で“回遊性を高める”
- 天井高さや床素材で“速度を誘導する”
速すぎても遅すぎてもダメ。
ブランドの世界観に最適な“歩きのリズム”が設計に求められます。
都市空間でも“歩く速度”で風景が変わる
たとえば東京オフィスがある品川エリア。
早足では見過ごしてしまうような小さな建築のディテールや、裏道の魅力は、ゆっくり歩くことで発見できるのです。
都市空間は、スピードを変えるだけで印象が一変します。
だからこそ“歩き方を設計する”という発想が必要なのです。



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