“住まいの音環境”を設計する」——静けさだけが正解じゃない

 

「音」もまた、設計すべき空間の一部

住宅設計というと、

光・風・素材などの“視覚・触覚”に目が行きがちですが、

「音」も重要な設計要素です。

1. 外からの騒音をどう遮るか
2. 家族間の音がどこまで届くか
3. 生活音を“気にならない音”にするための工夫

これらはすべて、建築でコントロールできるのです。

吸音？遮音？“音の質”で選ぶ素材

私たちの住宅設計では、

遮音性だけでなく、音の反射や響き方にも配慮します。

1. 天井の仕上げ材で音の広がりをコントロール
2. 子ども部屋には適度に吸音性のある壁材を使用
3. 生活音を“遠くにあるように”感じさせる中間領域を設計

ただ静かにするのではなく、心地よい音のある暮らしを目指します。

“静かすぎる家”もストレスになる？

完全遮音は、かえって不安を生むこともあります。

気配が感じられず、孤立感を生んでしまうからです。

とくにリモートワークや多世代同居では、

“適度に聞こえる・届く”音設計が、ストレスフリーな暮らしを生みます。

店舗設計でも“音”の使い方が肝

店舗デザインでは、

BGMの響きや声の反響が滞在時間や購買行動に影響します。

1. 天井高さや仕上げによって音の広がり方を設計
2. オープンキッチンでも“ちょうどいい音”に抑える工夫
3. 吸音パネルをさりげなく壁面デザインに取り入れる

音もまた、空間演出の一部です。