の景色”を借りる設計
まちの一部を、建築に取り込む
私たちは建物の中だけを設計しているわけではありません。
外に広がる風景や街並みを、**「借りる」**ことで、
空間に奥行きや物語を与えることができます。
これを借景と呼び、古くは庭園設計の考え方としても知られています。
借景は、まちとの“視線の対話”
敷地の外にある風景を、ただの背景にせず空間の一部として扱うことがあります。
- 通りに面した大きな窓越しに広がる桜並木
- 小さな庭越しに見える遠くの山並み
- 向かいの建物の壁面に映る季節の変化
こうした借景があることで、建物の内側が外へにじみ出す感覚が生まれます。
まちと空間の境界をゆるめる
借景は、まちとの境界をただ曖昧にするだけでなく、
空間にストーリーを持たせる手法です。
建物がまちに対して開く窓を設けるだけで、
街並みと建築が静かに会話をするような場面が生まれます。
借りるからこそ、街に感謝する建築
借景という視点は、
自分たちの敷地だけで完結しない、
**「街の風景を分けてもらう設計」**だとも言えます。
だからこそ、借りた景色に敬意を払う。
まちを愛する心が、設計ににじむのです。



コメント
コメントを投稿